ジュリエットに愛の花束を。


「昨日は邪魔しちゃったみたいでごめんなさい」

「あ、いえ。全然」

「……椎名くんは、明らかに邪魔って顔してたから」


クスクス笑いながら言うアリサさんに、顔の前で小さく手を振ってそれを否定する。


「そんな事ないですよ。樹、神経質だから、使ったタオルとかそのまま放置とかできないタイプだし。

本当は助かったと思います」


別にここまで否定する必要もないんだけど。

マネージャーだって事を考えると、普段樹がお世話になってる分、なんとなく気を使っちゃう。


「そうよね。椎名くんって本当に細かいものね。

部員のユニフォーム、あたしが集めて洗ったりしてるんだけど、椎名くんだけはいつも自分で洗うって聞かなくて。

……家では、瑞希さんが洗濯しても怒られない?」


アリサさんが首を傾げながら聞いてきた事に、あたしは苦笑いを浮かべて……。

事実をそのまま口にする。


「うちでは……樹が洗濯掃除当番なので」





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