ジュリエットに愛の花束を。


「やっ…あ、樹っ……待って…っ」


すっかり体勢をかえた樹にソファに押し倒されて言うと、樹はあたしを近い位置から見下ろして妖美に微笑んだ。


「……駄目。やっぱ週末まで待てそうにない」

「でも、ここソファだし……っ」

「俺は、どうやら無理矢理すると興奮するらしいからな。……誰かさんの意見によると」

「だけど……っ」

「瑞希は、俺をここまで我慢できなくさせるくらいいい女だよ。

……でもそれは、俺以外は知らなくていい。勝手に言わせとけ」

「……」


なんで樹はあたしを扱うのが上手いんだろう。

そんな風に言われると……もう、反論しようって意思がなくなってしまう。


「……サムいよ、それ」


赤くなった顔を隠すように不貞腐れてみると、樹は優しく微笑んで、吐息がかかるほど近づいた。


「じゃあ、すぐあっためないとだな」


すぐに重なってきた唇。

樹のあったかい手が、身体のラインをなぞる。

入り込んできた舌があたしの思考回路を遮断させていく。


キスに応えながら、目を閉じた。



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