不器用な愛で、意地悪なその唇で。
言って、ほしくて
──あれからあたしは走って家に帰った。
あんな場所に居合わせても千架くんのことを“嫌い”になるような気持ちなんて、どこにもなかった。
ただ、
千架くんの事が好きで、大好きだって
─自分で再確認してしまっただけだった。
つりあうようになりたい、可愛くなりたい
強くなりたい、うまく話せるようになりたい。
ねぇ 神様。
恋は自分を強くするって、本当ですか?
───……信じてみても、いいですか?