不器用な愛で、意地悪なその唇で。





──言えないんだ、行かないでなんて。

──言えないんだ、傍にいて、なんて。


……こんな勇気もなくて引っ込み思案なあたしを、きっと千架くんは不安がってると思う。



好きな人の前でうまく話せないし、あたしは元から引っ込み思案だから…こんな面倒な事は無いと思う。

…素直になりたい、ちゃんと想いを伝えたいのに…怖くてそれができない。



…千架くんが毎日ほかの女の子たちと遊ぶのをOKしてるのだって見てるのが、苦しい。


欲張りなのかもしれない。ただでさえ人気者で優しくて好かれてる、千架くんの彼女なのに…、




< 4 / 41 >

この作品をシェア

pagetop