この恋だけ、
何をしよう。


やることが無さすぎる。


『お前、いい子なの?』


『ぬ?』
突然話しかけられて変な返事をしてしまった。


さっきの男の子が、こっちを向いている。


『いい子なの?』って、どこに興味を持っているんだ、この人は。


『いい子?』


『違うの?』


・・・。
聞き返された。


『悪い子ですよ。』


クスッと笑ってみた。
バカにするように。


男の子は、少し目を見開いた。


『そう、良かった。俺、いい子は嫌いなんだ。』


真顔で言った。


『ふぅん。残念ですね、できれば嫌われたかったです。』


私も、真顔で言った。


『俺、折原篝。お前は?』

折原って人は、私の話を無視して自己紹介をした。


『折原さん、私、高屋敷蒼っていいます。蒼って呼んでください。ヨロシクお願いします。』


おもいっきり笑顔をつくった。いい子全開、


嫌味全開の、


嘘の笑顔。


『……。』


無視されてんの?


『お前笑顔上手いね。心のこもってない笑顔だけど。』


だって、なんで心なんてこめなきゃいけないんだ。


まぁ、誉め言葉として受け取っておこう。
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