銀の怪盗

秋の香り



それからしばらく、銀の怪盗は世間に姿を現さなかった。


…しかしそれは表立ったところでの話。


一般人としての彼女は、ごく普通にロンドンの街並みを歩いていた。




落ち着いた雰囲気のカフェに入ると、窓際の席に着き物憂げに外を眺める。


その美しい姿は好奇の目に晒されるが、しかし当の彼女の思考は常人とは離れていた。


< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop