銀の怪盗
「僕もこの店を利用してまして…前からあなたのことは知っていました」
どうやら私が怪盗だとは気付いていないらしい。
心の内で密かに安堵する。
「最近は…あまり気分じゃなかったから。そんな時ってあるでしょ?」
警戒心をといたのか柔らかく微笑んだ姿に、レスタードは一瞬心を奪われてしまった。
「どうしたの?」
「い、いえ…」
何故か顔を逸らしたレスタードに疑問を抱いたが、気のせいだろうと軽く受け止めた。