僕 ハ 君 ノ 何 番 目 ?



「歩くんっ!!」



やっと見つけた歩くんは、やっぱり人気のない岩場の影に隠れていた。



「唯ちゃん……、もしかして探してくれてたの?」



走り疲れて息切れをしている私の様子を見て歩くんが驚きながら言った。



「歩くんが心配だったので…」



「あはは~そっかぁ、迷惑かけちゃったみたいで……ごめんねぇ」



歩くん、笑ってない。



笑ってるけど笑ってない。作り笑いをしている。無理に笑おうとしてる。



「歩くん、……無理しないでください。」



「え?」



「無理に笑わなくていいです。辛いときには言ってください。
……歩くんに昔、なにがあったかは知りません。だけど」



歩くんにはいつも笑顔でいてほしいから。



あの幸せな笑顔が私は好きだから。



だから……



「辛いことを一人で悩まないでください。……私話を聞くことぐらい出来ますから!」



歩くんは少し驚いて、目を閉じて、それから優しく微笑んだ



「ありがとう、唯ちゃん……」






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