バレンタインデーにて
「ねえねえ、亜梨沙ちゃん」

「何よ……?」


亜梨沙ちゃんが我に帰った頃、

私は尋ねてみることにしました。


「亜梨沙ちゃんの好きな人って、
 何て名前?」

「えっと、八木……って、
 ちがーう!!
 私に、好きな人なんか
 いないから!!」

「ふぅん、八木君かぁ。
 確かにあの人かっこいいよねぇ」

「違うって!
 私には好きな人なんか…」

「うんうん、
 亜梨沙ちゃんと八木君なら、
 お似合いカップルだよぉ」

「違うってー!!!」


亜梨沙ちゃんは、焦りながら

否定を繰り返します。


でも、もう遅いですよ。
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