青空と暗い屋上2
涙の硝子
暑い
目が廻りそうだ
茹だる暑さも感じさせない
屋上
二名
有り
いや、暑そうな顔をしないだけだ
本当は暑いのだ
ジリジリ太陽が攻める
「このまま死んでしまいそうな暑さね。」
素直に彼女は答えた
「そうだね。」
彼が考えているとことは決まって死体のことだった
パタパタと手を扇いだ
僕ね、
それから口を開いた
「僕ね、母を殺したんだ。死体は本当に汚い。この前君はどんな死に方がいいか聞いたよね?母は溺死だ。もう醜い顔だったよ。僕は絶対溺死はしたくないね。」
急に話し出した彼に驚いた
「あら、そう。溺死は確かに皮膚が膨らむから一番醜いかもしれないわ。その…殺した母はどこに置いてあるの?」
「僕のタンスの一番下に閉まってある。身体が大きいからしまうの大変だったんだ。」
「よく閉まったわね。でもそのままにしとくと腐食が進んで虫が集るわよ。」
真剣に話す高校生
真っ青な青空雲が泳ぐ
「うん。だから、今日お別れをするよ。醜い生物と。」
「大変ね。でも楽しそう。そういえばあの犬は元気?」
話が急に変わった
「元気だよ。犬、嫌いなんじゃなかったの?」
何らさっきと変わらない二人
高校生
の
他愛のない話
「あの犬が探していた白い箱、見つけたわよ」
「なにそれ。そんなのうちの犬が探してるわけないじゃないか」
ほとんど無表情な二人は
屋上だとよく話すが
教室で二人が話す日は
なく、瞳は死んだままなのだ
彼女の真っ直ぐに伸びた黒髪は未だに首にへばりついたまま
蝉の声がうっとおしかった。
目が廻りそうだ
茹だる暑さも感じさせない
屋上
二名
有り
いや、暑そうな顔をしないだけだ
本当は暑いのだ
ジリジリ太陽が攻める
「このまま死んでしまいそうな暑さね。」
素直に彼女は答えた
「そうだね。」
彼が考えているとことは決まって死体のことだった
パタパタと手を扇いだ
僕ね、
それから口を開いた
「僕ね、母を殺したんだ。死体は本当に汚い。この前君はどんな死に方がいいか聞いたよね?母は溺死だ。もう醜い顔だったよ。僕は絶対溺死はしたくないね。」
急に話し出した彼に驚いた
「あら、そう。溺死は確かに皮膚が膨らむから一番醜いかもしれないわ。その…殺した母はどこに置いてあるの?」
「僕のタンスの一番下に閉まってある。身体が大きいからしまうの大変だったんだ。」
「よく閉まったわね。でもそのままにしとくと腐食が進んで虫が集るわよ。」
真剣に話す高校生
真っ青な青空雲が泳ぐ
「うん。だから、今日お別れをするよ。醜い生物と。」
「大変ね。でも楽しそう。そういえばあの犬は元気?」
話が急に変わった
「元気だよ。犬、嫌いなんじゃなかったの?」
何らさっきと変わらない二人
高校生
の
他愛のない話
「あの犬が探していた白い箱、見つけたわよ」
「なにそれ。そんなのうちの犬が探してるわけないじゃないか」
ほとんど無表情な二人は
屋上だとよく話すが
教室で二人が話す日は
なく、瞳は死んだままなのだ
彼女の真っ直ぐに伸びた黒髪は未だに首にへばりついたまま
蝉の声がうっとおしかった。