オフィスレディの裏の顔
翌日、マリコから報告メールがあった。昨日は鶴見さん、高橋さんと3人でタクシーに乗り、近い順でいうと鶴見さん、高橋さん、最後にマリコが降りるはずだった。でも、鶴見さんが最初に降りるとあとの2人が心配だからと、わざわざ遠回りしてマリコから送ってくれたんだと。私は昨日吉田さんから聞いた、鶴見さんの家庭がうまくいってないこと早速伝えてしまった。するとマリコは既に知っていて、だから気になるんだと言ってきた。

週が開け、朝出勤してくる吉田さんを待っていたが、遅刻をしてきたので話かけれなかった。部内で話すには私のチームの高野リーダーが目を光らせているのでできず、たまたま廊下ですれ違いを装って話かけることに成功した。

「お疲れ様です。金曜無事帰れましたか?」

「お疲れさま〜。オレどうやって帰ったかあんまり覚えてないんやけど。目覚めたら家の玄関前で寝てたんやわ。」

「え〜(笑)玄関前ですか?」

「鍵開ける前に力つきたんやな。」

「ベッドはすぐそこなのに。(笑)」

「水沢さん送ったとこまで記憶あるんやけど、何か迷惑かけた?」

私は自分がしたことを話した。彼は申し訳なさそうに謝ってくれた。

ランチの時間にマリコとこの話をしたかったけど、他にも女子がいるので会社帰りにマリコとお茶をしてあの日の帰りの報告をしあった。それから私はマリコと鶴見さんの関係が気になるようになり、仕事中も観察していた。彼女たちの席は斜め向かいなのである。好きな人がすぐ近くにいるなんてうらやましい。社内恋愛に興味はあっても、私の好きなタイプはここにいないもの・・・
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