オフィスレディの裏の顔
この頃、同じチームの中塚さん、山谷さんが立て続けに会社を辞めた。山谷さんはランチメンバーの1人でもあったので、これを機会に私とマリコはランチグループからぬけた。ランチの時間は2人で恋愛について語る時間となったのだ。

マリコは毎日ランチ時間に鶴見さんの話をしてきた。鶴見さんは少し太い体格なので、黄色のワイシャツを着てくるとプーさんみたいと言って喜んだり、彼が喫煙所で行くとマリコもついて行って、そこで話をした内容を私にうれしそうに語っていた。その内容を聞くのに半ば嫌気がさしていた。なぜなら私はチームメンバーが減ったため残業続きになって疲れていたのだ。

ところが、ある時マリコはまた刺激的なことを言い始めた。鶴見さんより他のチームにいる下村くんのほうがいいと言い始めたのだ。下村くんは最近部門異動してきたばかりで、年齢も若く、細身のスーツをピシッと着こなすファッションセンスもあって、確かにうちの部門ではまぁまぁいい方だと思う。

「実は彼に食事に誘われたんだけど・・・」

「マリコもてるね〜。行けばいいじゃない!結婚してる鶴見さんなんかやめて独身の下村くんにしたら?」

「それがね・・・」

「なに?」

「・・・」

「まさか!?」

「そう。妻子もちなの。」

「え〜!!あんなに若いのに!?」

そして心の中ではマリコが不倫体質であることにもびっくりしていた。
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