オフィスレディの裏の顔

「さすがに子供がいる相手との恋愛・・・というか不倫だよね？私は応援できないな・・・」

「そうだよね・・・」

ランチ時間のこの会話で、お互い食がすすまなくなり気まずい空気になってしまった。マリコはわかったと言ってその後、下村さんの話をしなくなった。

一方、鶴見さんの方はと言えば、彼もまた、マリコに惹かれ始めていた。あれだけ毎日夜中まで残業していた彼が、急にぱったりと定時で帰るようになったのだ。マリコと帰り時間を合わせて、自宅近くでお茶をするようになったのだ。そもそも家庭がうまくいってない理由は鶴見さんの遅い帰りが原因なのに、浮気相手のために定時で帰る姿にはガッカリした。会社でも顔を合わせ、帰りにお茶をし、その上、毎晩のように電話をしているとマリコは毎日のろけ話をしていた。実質、彼女たちは付き合い始めたのだ。もちろん、鶴見さんは奥さんとは別れてはいない。そしてそのうち、不倫がバレない工作のために私は２人のお茶に参加させられるようになった。

３人でお茶をしていると、マリコたちのイチャつきは激しかった。マリコはランチ時間に割と生々しく夜の生活のことを語ってくる。だから本人たちが目の前でラブラブにしていると吐き気がしそうだった。例えば・・・イケメンの美しい肉体美が妄想できるなら話は別だけど。Ｍキャラのプーさんなんか想像したくない！私はこのストレスを私の彼氏マナブにぶつけていた。けれどマナブは当人たちを見たことがない。そこで思いきって４人で温泉Ｗデートをしてみないかと提案してみた。私たちのメリットは鶴見さんが車を出してくれること、マリコ側のメリットは不倫がバレないためのグループデートというわけである。それに・・・マナブともちょうど倦怠期というか友達以上の感情をもてなくなっていたのでよい刺激になるんじゃないかと思った。