ドロップ☆アウト
「し、して、ないかな」
思わず詰まってしまい、啓次はえー、と不満げな表情をする。
「夏生さ、なんか色々…分かんないところがあってさ、その」
「教えられることなら教えるよ」

もしかすると上手いことごまかせるかも知れない。


「例えばさ…夏生って、女子、だったり」

「…馬鹿じゃない」

苦笑すると、啓次はあ、そ?とだけ言った。

…ヤバい。ばれてんの?!
あたしはそんなに女子らしいのか?!

下手したら退学。

おじいちゃんですら、自ら作った学校のルールを破ったんだからそれなりに処分を受けるかもしれない。理事長辞任、とか。


それは嫌だ。

最終学歴が中学校になってしまうのが可哀相だ、とあたしをこの学校に入れてくれたおじいちゃんに、迷惑はかけられない。
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