キスの魔術師
恭介が放送で呼ばれてから、あたしは恭介の言うとおり尚樹君を通り過ぎて教室に入った。
「ははっ。幸村さん、バイバイッ」
尚樹君が後ろでそう言ってたのが聞こえた。
いちお無視したけど……。
無視した後、少し罪悪感が残った。
「あ、ハイジー!!」
『ミミちゃん!!健吾君!!』
「おう、幸村~…。はよー」
『おはよっっ』
ミミちゃんや健吾君に挨拶をして、それから2人と一緒にいた。
10分しても帰ってこない恭介。
『う゛~!!あたし、ちょっと職員室行ってくる!!』
「あ、うん。いってら」
「いってらっしゃ~い」