キスの魔術師


本当は分かってた。


職員室に呼ばれた理由も…
この紙の正体も…。




分かってたけど。




「ははっ。正直、これもらった時…うれしかった」



やんちゃに笑う恭介の姿に、あたしは自分が恭介において行かれたような感覚になった。



『うん……。おめでとう』



恭介が見せてきたのは、留学のためのテスト。

これが赤点だった場合は留学はナシになるんだ。


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