キスの魔術師
「……ずっとずっとハイジのこと想う。ずっとずっと……」
『…携帯あるし。手紙とかもあるし。……大丈夫だよ』
肩に冷たい〝もの〟が落ちてきた気がした。
それが恭介の〝涙〟だったのかは分からないけど。
あたしも恭介もしんみりしてたのは事実。
「……ハァー……行くか行かないかとかで揉めてるうちに、あと3週間くらいになったよ」
『…だね。これからは1日1時間1分1秒が大事だよ』
最終的にはやけくそみたいな感じで決まったけど。
おちゃらけ系の恭介の場合の、テレ隠しだろうとあたしは思う。
「ハイジー♪」
『…んっ……っっ…』
恭介のしてくれるキスは大好きだ。
上手いしね♪
でも、このとろけるような甘ぁいキスも……。
あとちょっとしたら1年間ほどできなくなってしまう。
だけど、1年経っても、このキスの魔術師のようなキスを忘れてほしくないな~。
「ハイジ…好きだー!!!
『あたしも恭介大好きだー!!』