キスの魔術師


「……ずっとずっとハイジのこと想う。ずっとずっと……」


『…携帯あるし。手紙とかもあるし。……大丈夫だよ』



肩に冷たい〝もの〟が落ちてきた気がした。

それが恭介の〝涙〟だったのかは分からないけど。


あたしも恭介もしんみりしてたのは事実。



「……ハァー……行くか行かないかとかで揉めてるうちに、あと3週間くらいになったよ」


『…だね。これからは1日1時間1分1秒が大事だよ』





最終的にはやけくそみたいな感じで決まったけど。

おちゃらけ系の恭介の場合の、テレ隠しだろうとあたしは思う。





「ハイジー♪」


『…んっ……っっ…』



恭介のしてくれるキスは大好きだ。
上手いしね♪

でも、このとろけるような甘ぁいキスも……。

あとちょっとしたら1年間ほどできなくなってしまう。


だけど、1年経っても、このキスの魔術師のようなキスを忘れてほしくないな~。




「ハイジ…好きだー!!!


『あたしも恭介大好きだー!!』





< 132 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop