キスの魔術師
「って話してるうちに終わった。ほら、使っていいぞ」
晴はそう言って洗面所から出て行った。
『……終わってないじゃん…』
晴がいなくなった洗面所で、ぼそりと呟く。
実は優しい晴。
晴は自分の支度が終わってなかったけど、あたしにかわってくれた。
『…晴みたいに優しかったら、すぐにいい彼女ができるよ…』
それからあたしは急いで準備をして、2階の自分の部屋で制服に着替えて、8時4分に家を出た。