キスの魔術師
第2章 中学3年生
――
――――
――――――
桜花学園中等部 3年生の頃。
『大きな栗のー木の下でー、あーなーぁたーとーわーたーしー…』
ゴミ出し当番になっていたあたしは、放課後にゴミ袋を持ってゴミ置き場に持って行こうと、校舎の裏の方を歌いながら歩いていた。
「大きな栗の木の下で」が歌い終わると…
『Amazing grace how sweet the sound……』
英語が結構得意なあたしは、「アメイジング・グレイス」を英語で歌いながら歩いていた。
『…like me…ギャッッ!!』
その時、何かにつまずいてあたしはこけてしまった。
もう、何なのよぉ。
痛いしぃ…。
ゴミ袋を見てみると、ゴミ袋は無事だった。
『ハァ……最悪…』
「…ごめんね? 大丈夫??」