キスの魔術師
『おっ、あそこのアイス、めっちゃおいしぃよね!!』
「だよなぁ~」
あたしたちの運が良いのか、たまたま人が並んでなくてすぐに注文することができた。
「すいませーん。このチョコのやつと、このチョコのやつ下さい」
恭介がそう言って、あたしの分も注文してくれた。
あたしも恭介も同じチョコ味だけど、中に入っているものが違う。
アイスクリームは、2分もしないうちに完成した。
「おまたせいたしました」
店員さんが二つを恭介に渡す。
恭介はそのうちひとつをあたしに渡して、財布を取り出した。
千円札を出して、おつりをもらい、あたしたちは近くのテーブルに座った。
『恭介、何円だった?』
「んー?…秘密ー」
『なんでー!』
あたしがそう言うと、恭介はニヤリといたずらっぽく笑った。
そして言った。
「ハイジが可愛いから☆」