キスの魔術師


「あらら。なんか今日、恭介へんじゃない?」


ハイジにそう言われて、ハッと我に返ると、いつの間にか放課後だった。



『そ?気のせいだって』



ハイジに気付かれて内心ドキッとしたが、俺は誤魔化した。



「え~……。でも…………」



何か言いたそうなハイジ。
だけどそのあとは



「…まぁいいけど……」



と口を尖らせて言った。




その様子がすごく可愛くて。
だけどその分、申し訳ない気持ちになった。



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