キスの魔術師


そしてそこから出てきたのは…



「…恭介ぇ……」



パジャマ姿に熱冷まシートをおでこに張っている、ハイジだった。



『ハイジ!?』



今日の朝、ラブコールしたときは普通だったはず!!



「ごめん、恭介。あたし今日休む…」


『ほえ? 大丈夫!!??』


「うん。恭介、学校遅れるよ…」


『いや、でも…………』



口ごもった俺に、お兄さんは、わざと俺に聞こえるように独り言を言った。



「そーいやぁ、今日は父さんも母さんもいないんだった。朝の6時から夜の7時まで。俺も学校あるしな~……」



……………。

やっぱりお兄さんは良い人だ。
さっすがハイジのお兄さん!!







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