キスの魔術師
「まぁ、それが男の本望ですから」
『また言ったー! 男への評価が落ちるぅ~…』
「はははっ」
俺たちは笑い合いながら、家へと帰って行った。
同じ方向といえばそうだけど、ハイジの家は俺の通学の通り道。
まぁ反対方向でも、遠慮なく送らせてもらうけどな。
そして学校から歩くこと20分。
ハイジの家に着いた。
『じゃぁな、ハイジ。 愛のメェルをよろしく☆』
別れる時の定番となったこの言葉。
くさいセリフを俺なりにキメて言うのだ。
そしたらハイジも必ず…
「愛の返信をよろしく☆」
と言うのだ。