キスの魔術師
次の日、元気になったあたしは、いつものように恭介と一緒に登校した。
ただ、なんとなく…
あたしたちの間にきまずい雰囲気が流れた気がした。
それはあたしたちにとっては初めてのことで。
内心めちゃくちゃ焦った。
「幸村ー」
『あ、健吾君…』
昼休憩、健吾君があたしのところに来た。
「恭介は?」
『えっ? 知らないよ??…トイレじゃない?』
たしかに。
いつも昼休憩は自分の席に座ってるのになぁ。
「あ、さっきトイレに入ってるとこ見たけど?」
『あ、ミミちゃん!!』
実は仲がいい、あたしたち。
健吾君は恭介の友達だから自然に仲良くなって、ミミちゃんはあたしの友達だからもちろん仲良くて。
すると必然的にミミちゃんと健吾君も仲良くなるわけで…って感じですね。