キスの魔術師
「もう!無視はないでしょーが!!」
バンバンと俺の背中を叩くハイジ。
だって…
『だってハイジ、尚樹と話してたじゃん』
「へー?話してただけじゃん!!それに!!」
『それになんだよ』
「…それに……、尚樹君があたしのこと好きだなんて思ってなかったし…」
…気付けよ。
同じクラスのやつらはないけど、他のクラスの男子にはモテてんだぞ?
『…もう俺以外の男と話すな』
…もういっぱいいっぱいなんだって、俺。
「…じゃぁ健吾君とも?」
『……なるべく』