キスの魔術師
我儘な俺を許せ、ハイジ。
『ハイジ、ちょっと来い』
俺はそう言ってハイジを抱き寄せた。
少し力を入れただけで壊れそうなほど…、でも芯が強くて絶対に壊れなさそうな…そんな感じのハイジ。
『ハイジ…ごめん』
「なんで謝るの?」
『………ごめんなぁ、ハイジ』
俺は謝った。
知ってるか?
日に日にハイジのことがますます可愛く思えてくること。
刻々と近づいてくるタイムリミットに怯えてること。
…怖いんだよ。
ハイジがどっか行っちまいそうで……。
俺がアメリカに行ったら、終りなのかな…とか考えてしまうんだよ。
俺の気持ちは一生変わらないけど……。
正直、不安なんだ。
最近、不安で不安で…押しつぶれそうだ。