ヘタレな彼が好き
「げーーえっ。
何この長蛇の人の列!
並ばなくちゃ入れないみたい。」
あたしの親友、竹井 美奈は小声で毒づく。
ちらと美奈を見ると、抜群のスタイルをちらつかせながらも、控えめなドレスを着ている。
そんな服着といて言う言葉じゃないだろう…
と私は1人で笑う。
「割り込みしちゃわない?
前の方に並んでる
どっかのグループの人に
頼みこもうよっ!"連れ"ってことに
してもらって!」
大胆なこんなことを言うこの子も
私の親友、槙 花音。
かわいい幼い顔しときながら、
実はあたしよりプレイガールだったりする。
2人がこんなことを言うのは、
あたしたち3人は新しくできたクラブにやって来たのだが、
開店の日には沢山の人がつめかけて、
行列ができているほどなのだ。