*天然彼氏の観察日記*
『ごめん…。』
「冗談。気にすんな。」
稜斗の顔は笑っていた。けど、目の奥は寂しげな色をしている。
あたし…ほんと悪いことしちゃったんだ。
「唯――?」
稜斗があたしから離れてっちゃう気がして、どんどん不安になってくの。
お願いだから、離れないでね?って言葉にならない声でそっとつぶやいてみた。
稜斗には聞こえてないはずなんだけど、応える様に「おいで?」って言ってあたしを抱き寄せた。
『…稜斗?』
「なんでもねぇから///」
変態な言葉は言うくせに、こういう事するのは恥ずかしいんだね。
心臓の音があたしまで響いてくるよ。
今までの不安がどこかに吹き飛んだ気がする。