*天然彼氏の観察日記*





「雛ぁ!大丈夫っ?さっき隆介さ―――…って、なに楠原君と抱き合ってる訳?」



いきなり声がして、そっちを見ると奈留が立っていた。



『あ、奈留!!あのね、なんかよくわかんないんだけど、稜斗は隆介さんと知り合いで…とにかくそういう事。』


「全然わかんないんですけど。落ち着いて、ね?」


「俺から話そうか?」



稜斗が聞いてきた。
お、優しいー。



「楠原君が話すと余計ややこしくなるから。」



確かに…奈留の言う通りだ。
でも、はっきり言い過ぎだよ。ちょっとかわいそうかも。



「高橋って、ひでぇな。」


「えぇ。褒め言葉として受け取るわ。」


「は?意味わかんねー。バカ?」


「楠原君に言われたくない!」



――てかさぁ、



『なんでふたりが喧嘩してんの?』






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