*天然彼氏の観察日記*
結局、急いで登校するはめに。
歩くのと走るのとを交互に繰り返しながら、学校へ向かっていた。
「唯、大丈夫?疲れてない?」
『ん、大丈夫。』
あーやっぱ稜斗、優しっ!!
あたしの身体を気遣ってくれるなんて。
言い忘れてたけど、彼には天然ともう一つだけ治してほしいところが……。
「稜斗!!どこ行ってんだ?そこは左にまがるんだよ。」
と隆介さんからお叱りがくるほどの、
方向音痴。
これと天然だけは、治してほしいよ。
ほんとに。
顔は文句なしにかっこいいのにな。
頭が弱いんだよね、きっと。
そこがちょっと疲れる。
はーっとため息をついたら、隣を歩いてる隆介さんに聞こえちゃったらしく、
苦笑いされた。
「ま、そういう奴なんだって稜斗は」と言ってくれたんだけど、同情されたみたいで悲しい…。