*天然彼氏の観察日記*
稜斗が息を切らして走ってきた。
「あー、疲れた。隆介さん、ほんとにこっちの道なんすか?」
「あぁ。俺の記憶力なめんなよ?」
クスっとあたしと隆介が笑う。
「…すいません。」
「ま、いいよ。それより早く行くぞ。」
「はい!」
なんか、あたしだけ入れてない感じ?
別にいっか。聞いてる方が楽だし。
今は走ることに集中しよ。
――――……
さっきから視線を感じる気がする。
気のせい、じゃないよね。
隆介さん側からの視線が…。
『隆介さん、あんま見ないで下さい。なにか、顔に付いてますか?』
顔を触って確かめる。
何も付いてないよね。
「うん。付いてないよ。」
あたしの顔見ても何も出てこないのに。
「ん。気にしないで。」
って言われても、まだ見てくる。
何を見ているのかすごい気になるんですけど。