*天然彼氏の観察日記*
……なんか、忘れてる気が……
ま、今はどうでもいいか。
それよりゲーム!!!
だんだん隆介さんの顔が近付いてくるような……なんだ楽勝じゃん。
もっと顔が近づいた時に走るか…。
あと、十センチ
あと、七センチ
あと、三センチ…今だ!!!
大きく手を振って、大きく足を開いて急いで走る。
数秒で学校の門に到着。
その時、
キーンコーンカーン……
鐘が鳴った。
やった!!あたしの勝ち!!
『隆介さーん!この勝負、あたしの勝ちですからね!』
隆介さんに向かって声を張り上げた。
『遅刻しちゃうんで、先行きます!!』
そういって、走って校舎の中に入ったあたしを見て隆介さんが舌打ちをしていたなんて、
あたしは知らなかった。