*天然彼氏の観察日記*
6㌻目 先輩の誘いと友達
ガラッ…
『奈留!おは…』
教室に入ったあたしをみんなが一斉に見てくる。みんな恐っ。
言葉もつい、言いかけてしまう。
おもちゃの様に同じ動きをしていて変な世界に来たみたい。
そんなに見ることないじゃん…。
―――あ、もしかして今…HR中…。
「榛澤、遅刻な。」
『あたし、ちゃんと鐘が鳴る前に校舎入りましたっ!!』
これぐらい大声で言わないとね。
先生、最近耳遠いから。
一拍おいたあとなぜか皆から笑い声が聞こえた。
『みんな、何笑ってんの?』
なんか面白いことがあったのかなぁ?
「唯!あんた、校舎入っただけじゃだめなんだからね!?ちゃんと教室入んないと。」
奈留にみんなに聞こえる声で言われた。
『そ、そうなの?じゃあたし遅刻…?』
奈留は笑顔で頭を上下に振る。
その拍子に、皆が一斉に笑う。