*天然彼氏の観察日記*
『そうなのっ!ほんとにいざって時は守ってくれるんだよね!』
なんて稜斗のいいとこを熱弁したい程だけど、今はだるくてそんな気にならない。
ごめん、稜斗。何も言ってあげられないや。
それより頭が痛くてだるい。
「唯…あんた大丈夫?熱あるんじゃないの?」
そう言いながらおでこに手をあててくる奈留。こうゆう時、親友がいてくれてよかったって思う。
「ちょっと熱いなぁ。熱あるっぽいから保健室行ってきなよ。」
『うん…。』
重い体を持ち上げてのろのろ歩きだす。
階段やだな。
手摺りに掴まって不規則な動きでゆっくり歩く。
手摺りの効果もむなしく、階段からコケてあと二段ってとこぐらいから落ちる。
『痛ぁ……。』
腰をさする。うわ、おばさんみたい。
さするのをやめ、立とうと脚に力を入れた。
あ…れ?立てない。