*天然彼氏の観察日記*
呼び止めたら、怪訝そうな顔で振り向かれた。
「なんだよ。」
『け、携帯貸して。教室に置いてきちゃった。稜斗呼ぶから。』
「今から、電話ぁ?授業中だけど。」
『大丈夫なんじゃないかな…?』
そう言ったら、はーって嫌みったらしく溜息をつかれた。
「それ止めろよ。みんなに迷惑かけんぞ。メアド知らねぇの?」
『人のメアド覚えてないに決まってるじゃない。これじゃ一人になっちゃう…。』
「あー!あー!わかりましたっ!居ればいんだろ?居れば。」
なにその投げやりな態度。
ムカつく…!
別にっ―――
『居てくれなくても結構です!』
「あっそう。じゃ帰―――」
ガチャ
ドアが開く音…?