*天然彼氏の観察日記*
「……?」
やばっ!逆に怪しまれたかも…。
『い、いや雅哉と帰りたくないわけじゃないんだよ!?奈留と帰りたいだけで…。』
「そうか。じゃあ高橋と帰れよ。」
『え…?』
「今って結構大事な時期に入ってきてるから、なるべく授業に出たいんだよ。」
あ…そう。
意外にあっさりと、ね。
あーでも、奈留呼んでも来そうにないなぁ…。それでもいいや。一人で帰ろっと。
「じゃあな。すぐ帰れよ?」
『うんっ…!じゃあね。』
精一杯の笑顔で返す。
ここまで運んでくれたんだもん。お礼の気持ちぐらい示さなくっちゃ。
バタンと閉まるドア。
一人になって一気に溢れ出す開放感。
その開放感からか、睡魔に襲われる。
眠い…。
誰もいないし少しくらい、いいよね…?
ベットに横たわり、目を閉じるとすぐに眠りにつけた。