恋に恋した5秒前



僕はおにぎり、恋はパンとレモンティーを買って、校舎を出た。


なんとなく、二人で食べるかってことになって。


「レンは連絡しなくていいの?」

恋は一緒に食べてる友達に電話していた。
僕はいいよ、そう言って近くのベンチに座る。

…どーせ京平はテキトーに誰かと食べるだろ。

僕がいなくても大丈夫。



そして僕は彼女と少し距離を置いて、ベンチに座る。


「今日さー、理科の松先生の頭にさ、蚊が止まって大変だったの!」

「へえ、松っていったら頭…」

「そう!ハゲ!」

「クラス大笑いだったでしょ(笑)」

「そうだよ~ほんと、面白かった」


…たわいもない会話。


この4ヵ月前まで、彼女のことは知らなかった。

出会ってもいなかったのに、

今では恋でいっぱい。



決めていた。


僕は、恋に、


留学すると告げる。





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