恋に恋した5秒前




「りゅうがく?」

「うん、留学。アメリカにバスケをやりに」

「…そーなんだ」

「うん」

「…いつ?いつ行くの?」


「…多分来月になると思う」

「何年行くの?」

「1年だよ」



「……。」


急に恋は黙り込むと、僕を見た。



「ほんとに行くの?」


「………うん。」


喉から絞り出した僕のその声は、聞くにも耐えぬ声だったけど。

頷いてしまった。




「そうなんだ!レンはバスケ凄く上手いもんね!ちゃんとアメリカで活躍して帰ってきてね!すごいよ、あたしレンのこと尊敬する」


よかった、いつもの笑顔だ。




「でもさ、ちょっとくらい相談してくれればよかったのに」


「…ごめん」


そう言うと恋は立ち上がり、校舎内へと戻って行った。


…これが恋との最後?





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