恋に恋した5秒前
「まじかよレン!」
「アメリカって…」
「かなり遠くね?」
「ていうか1年の期待の星なのに」
「先生レンは本気なんですか?」
案の定、皆はパニックだ。
「留学まであと少しだが、また来年には戻ってくる。きっと今より何倍も強くなったレンが戻ってくるんだ。」
顧問の先生は真剣な目で皆を沈ませようとしている。
「レン、何か言うことがあったら言え」
皆に、伝えたいこと。
顔をあげると偶然恋と目が合った。
いつもの様に微笑んでくれたけど、なんだか心が痛い。
「あと、二週間しかないんですけど、頑張ってバスケ学んでくるんで、それまでよろしくお願いします」
「さあお前ら、いつも通り練習するぞ!! 返事は」
『ハイ!!!』
…熱い熱い熱血先生は、きっと、誰よりも僕のことを心配してくれている気がした。