恋に恋した5秒前
「おまえはオレら三島高校バスケ部の誇りだ!頑張ってこいよ」
いつも通りハチさんが最初に声をかけた。
「オレらも、大学でバスケやるもんな。きっと大学リーグの新人ホープで試合出てるな」
キャプテンも笑いながら言う。
すると京平も入ってきた。
「ちょっとー!オレたちも来年にはレギュラーで全国行ってますから!」
「2年が簡単にお前らにレギュラー渡す訳ねえよ(笑)」
「大丈夫っす!少なくともオレはレギュラーですから!」
京平…
それは自意識過剰って言うんだよ。
「皆聞いたかー?きょーへーがレギュラーなるってよ。こんな奴に1年の少ないレギュラー取られてたまるかって話だよなー」
「そーだそーだ」
キャプテンにハチさん…(笑)
「いや、来年調子乗ってる京平に帰って来た僕がガツンと負かしてやりますよ」
「レン今なんつったよ!!くそー腹立つ」
たった十数分の出来事だったけれど、不安で一杯だった僕の背中をポンと皆が押してくれた気がした。