恋に恋した5秒前




夕暮れ。
橙色の世界。

走って、走って、走って。

僕は止まった。

空港を出たはいいものの、恋の家までは遠過ぎる。


…でも、行かなきゃ



僕はまた走り出した。
本能的に、頭では何も考えていない。

走っても、きっと着かないはずの距離。

もし着けたとして何をする訳でもない。


ただ、伝えたいのは好きということ。




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