恋に恋した5秒前
さっきのクォーターが終わり、今までぶっ通しで試合をしていた先輩と代わった。
「頑張れよ」
「1年の底力見せろよ」
『ハイ』
汗だくの先輩にタオルを渡して、僕たちはコート内に向かった。
点数は今42対39。少し負けているが、接戦だ。
2、3年生のレギュラーの先輩に囲まれて、僕たちは緊張していた。
上手くやらなくちゃ、
点数稼がなきゃ、
練習試合とはいえ、僕たちのせいで負けたくない。
こんがらがった焦りが、僕を堕とした。