恋に恋した5秒前




「おいレン!何やってんだよ」

京平が僕に向かって走ってくる。

「…ごめん」

「そうじゃなくて。試合に参加しろよ、突っ立ってないで」


…?



気が付くと、もうこのクォーターは残り時間1分しかなかった。

気が付かなかったけれど、僕はあれからずっとこのゴール下で突っ立っていたのだ。




せっかくの試合だったのに。



無謀なレギュラーもこの試合も諦めようとしたとき。



「レーンー!!!何やってんの!!!早く走りなさいよ!!!」



…恋だ。




< 27 / 152 >

この作品をシェア

pagetop