恋に恋した5秒前
「おいレン!何やってんだよ」
京平が僕に向かって走ってくる。
「…ごめん」
「そうじゃなくて。試合に参加しろよ、突っ立ってないで」
…?
気が付くと、もうこのクォーターは残り時間1分しかなかった。
気が付かなかったけれど、僕はあれからずっとこのゴール下で突っ立っていたのだ。
せっかくの試合だったのに。
無謀なレギュラーもこの試合も諦めようとしたとき。
「レーンー!!!何やってんの!!!早く走りなさいよ!!!」
…恋だ。