恋に恋した5秒前
「ハチさんこっちっす!!」
3人の敵に囲まれていた先輩からパスをもらった僕は、
ステップを踏みながら低い姿勢で走って行った。
今度こそは、絶対に。
強い思いとともに、シュートを打つ。
「入った!!!」
恋の声が聞こえた時、ボールは丸い弧を描き、吸い込まれるようにゴールへ入る。
「入った…」
入ったんだ、僕が点を入れたんだ。
敵のチームがボールを取り、試合を進めようとした瞬間、ピー、と試合終了の笛が鳴った。