恋に恋した5秒前
今はまだ、恋にはこの気持ちを知られたくない、だけど、僕のことを良く思ってほしい。
そんな理不尽な思いとともに、タオルや着替えが入ったバックを下ろした。
「おはよーございまーす!」
体育館中に大きな声が響いた。
京平たち1年だ。
「おおっお前ら何やってんのー朝っぱらからー」
「恋が体育館掃除してくれてた」
僕がそう言うと、
「えっ、まじ?!ごめんねれんちゃんっ!!オレらもしなきゃいけなかったのに」
だけどまた彼女はこう言うんだ。
「大丈夫だよ、葉山くんたちは早くレンみたくレギュラーになれるように頑張って練習してっ」
キラキラの笑顔とともに。