恋に恋した5秒前




今はまだ、恋にはこの気持ちを知られたくない、だけど、僕のことを良く思ってほしい。

そんな理不尽な思いとともに、タオルや着替えが入ったバックを下ろした。


「おはよーございまーす!」


体育館中に大きな声が響いた。

京平たち1年だ。


「おおっお前ら何やってんのー朝っぱらからー」


「恋が体育館掃除してくれてた」

僕がそう言うと、

「えっ、まじ?!ごめんねれんちゃんっ!!オレらもしなきゃいけなかったのに」


だけどまた彼女はこう言うんだ。


「大丈夫だよ、葉山くんたちは早くレンみたくレギュラーになれるように頑張って練習してっ」



キラキラの笑顔とともに。




< 47 / 152 >

この作品をシェア

pagetop