恋に恋した5秒前
「いやー、市内優勝するとはねー、やっぱり1年のホープ最上蓮のおかげだなっ」
「自分出てないのによく言うよ…」
「あはは、ほんと。でも優勝できてよかったね!次は地区大会だ」
一回戦から、僕は試合に出ることができた。
これが凄いことなのか、それともこの学校のバスケ部は、県内有数の学校だから、余裕ぶって1年に出場させたのか。
わからないけど、「優勝」には変わりない。
嬉しい。
めちゃくちゃ嬉しい。
「れんちゃんマジでチアの練習しなくちゃいけないかもね〜」
京平が言う。
「そうそう、メンバー集まったの!!全員で10人」
「わっ、楽しみだねレン」
「あ、ああ」
僕は曖昧に答える。
期待してると思われたくなかった。
「うわっこいつ、今れんちゃんのチアガール姿想像したっしょ!!!」
「してない。」
した。
正直恋のキラキラの笑顔で2階席から応援している姿を。
「したした、こいつむっつりスケベだからあ〜」
「京平キモい」
「キモくて結構〜ピロピロピー」
全く、何故京平はこんなにも勘が鋭いのだろうか。