恋に恋した5秒前
放課後。
「レーンー!!!」
遠くで呼ぶ声がした。
いつでもどこでもハイテンションな京平は、大きく両手を振りジャンプする。
「なんだよー!」
一応大きい声で言った。
するとさらに大きな声で返ってくる。
「先クラブ行っとくからー!!!」
了解。うなずいて僕は階段を下りる。
僕と京平はバスケ部だ。
一応中学の時もやっていた。
ギリギリレギュラーっていう、微妙な上手さだったけど。
高校に入って、部活はするつもりがなかった。
だけど、京平と出会って、またバスケをすることにしたんだ。
嫌いな訳ではないし?
まあ練習はきついけど、体力つくと思えばそうでもない。
「…あ。」
階段を下りたその先に、彼女は居た。