恋に恋した5秒前
隣の恋が呟く。
「めちゃめちゃ恋してるんだね」
「好きなんだってさ」
「へぇー」
練習が終わり、僕は坂本にハチさんがアドレスを知りたがっているというメールを送った。
するとすぐにメールは返ってきて。
僕の聞き方が悪かったのか『え?』という素っ気ないメールだった。
京平に訴えると、京平はかわりに坂本に電話してくれて。
というかなんで京平は女子の電話番号まで知っているのか。
それに高橋の前で女子と電話してもいいのだろうか。
そして詳しく説明をすると、承諾してくれたらしい。
というか、京平いわく僕のメールの文章が悪かったらしい。
「つーかレンお前さ、『ハチさんが坂本のアドレス知りたがってるんだけど、どう?』って、文の意味がわからん。どうって、そりゃ『え?』ってなるよ、『教えていい?』ぐらいじゃないと」
「えっ、最上、そんなメール送ったの?」
高橋にもそう言われる。
「ていうか、『ハチさん』って誰って言われてたよ。説明したらわかってくれたけど」
「…ごめん。」
…そう言ったけれど、それは僕が悪いんじゃない。
ハチさんが坂本に知られる努力をしてないからじゃん!
心の中で、文句を言ってみた。