恋に恋した5秒前
「……。」
行けって…
「いいから。ハチは俺が見ておく。救護の人もいる。」
でも、隣にハチさんがいるのに…
「全国行くんだろ」
その顧問の言葉と表情は、いつもの「いい意味でノウテンキおじさん」とは違う、真剣そのものだった。
「全国の試合がある頃には、ハチももう治ってる。そこで、ハチたちと一緒に戦うんだ」
「…ハイ!」
ひとつ大きな深呼吸をして、バクバクしてる胸の奥をつかんだ。
ここで負けたくない。
相手にも、自分にも。
今僕がやれることを、やるだけ。