恋に恋した5秒前




「大丈夫だよ。レンが気負いすることない。」

「……。」

「でもなあ~、勝って欲しかったなあ~(笑)」

「悪かったな、負けて。」


あはは、と笑いながら嫌味っぽく言ってくれたのは、恋だけだ。

恋は、ひとの気持ちをよく知ってる。


ありがとう。



心の中でそう呟いて、恋からもらって少し溶けてしまったチョコレートを口に入れた。


苦い、だけど甘い味がした。







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